0:100の事故でオートバイが全損!

事故概要

わたしは大学時代に交通事故を体験しました。こちらはオートバイ(750cc)に乗っており、先方は自家用車でした。

信号機のないT字路で、こちらが直進してきたところに先方が右折してきたという、いわゆる「右直事故」になります。このT字路がそのそも進入禁止の路地であったため、責任配分は当方ゼロ、先方10という、自動車同士の事故では珍しいケースとなりました。

先方の車の右前部がこちらのオートバイのクランクケースにかなり強く当たったため、クランクケースが破損し、フレームも曲がってしまい、オートバイは廃車になりました。わたしも地面に投げ出され背中を歩道で強打したのですが、外傷はありませんでした。

そのうち救急車とパトカーが来ましたが、救急車には「大丈夫だから」と言って引き取ってもらい、パトカーのお巡りさんの事情聴取を受けて歩いて自宅に戻りました。

思えば、これは大きな間違いだったかも知れません。

事故直後は精神的な緊張もあったせいか、特に痛みなどを感じなかったのですが、その日の夜から全身が痛み始め、翌日には立ち上がることもできない状態になったのです。それでも外傷がないことに変わりはないので、待ってさえいれば痛みは引くだろうと思い、家の中でじっとしていました。結局、痛みが引くまでは一週間ほどかかりましたが、その後は後遺症らしい後遺症も出ず、今に至っています。

保険会社と相手方との交渉

身体の痛みがひいてから、先方の保険業者との話し合いに入りました。こちらも保険には入っていたのですが、状況から見てこちらの責任を問われる可能性がなく、先方の保険会社も過失10割であったことをすぐに認めてしまったので、こちらの保険会社には連絡せず、個人で直接交渉に当たることにしました。

ここで問題になった点がいくつかありました。先方の保険会社が提示してきたのは、こちらのオートバイと同程度の中古車の相場価格を示し、全損だからその分を金銭で賠償する」と言ってきたのです。これはある意味、保険会社としては当然の対応であったとも言えます。

しかし、こちらが失ったものは何かというと「貧しい学生がアルバイトを続けてようやく買った大事な日々の足」だったわけです。当時は大型オートバイは現在よりもメジャーな乗り物ではなかったため、そもそも「同程度の同型の中古車」がほぼ入手不可能な状態でした。

先方の提示する価格で応じてしまうと、こちらに何の過失もなかったにも関わらず、昨日まで乗っていたオートバイよりも「格下の中古車」に乗り換えなければならないのです。

「それは理不尽であるから元のものと同型車を手に入れたい。そして同型車は実質新車でしか入手できないのだから、補償額は新車価格分として欲しい」。わたしはこう保険会社に主張しました。

これも当然な話ですが、保険会社はこの提案には応じませんでした。そこでわたしは交渉相手を保険会社から事故の当事者に切り替えます。「保険会社がいくら出すかはこちらにとって関係のない事柄である。それに当事者であるあなたが上乗せして、こちらが失ったものを補うようにして欲しい」。このように伝えました。
これを聞いて先方は非常に驚いたようです。

どうやら「事故を起こしたらその後始末は全部保険会社がやってくれる」と思い込んでいたようでした。そのせいか、事故後こちらに連絡を取ることは一切なく、謝罪の言葉すら伝えてこなかったのです。こちらではそれを非誠実であると認識しており、妥協する余地はないと重ねて伝えました。

こうした交渉の結果、最終的に元のオートバイの新車価格分(約100万円)の補償を得、同型車を購入することができました。

今思うこと

この事後の交渉において相手方が犯したミスは、すべてを保険会社任せにした結果、対応が不誠実だとこちらに追求される余地を残してしまった点ですが、こちらにもミスがなかったわけではありません。

後でわかったことですが、外傷がなくても一週間痛みが残るような打撲は立派な「重傷」で、この事故は最初から物損事故ではなく人身事故として扱うべき案件だったのです。救急車を返したのは外傷がなかったのもありますが、相手のことを考えて話を大きくしないように、と配慮したつもりだったのですが、こうした場合においてはそれはやってはいけないことであったようです。

何気なく毎年更新している自動車保険。事故に遭わないとただもったいなという気持ちですよね。事故に遭った人の感想を見てみましょう。